コンセンサスとは何か
転職雑記 2025/4/29
ビジネスシーンにおいて「コンセンサス」という言葉をよく耳にします。
「コンセンサスを得る」「コンセンサスをもらう」といったように使われますが、多様な場面で使われるあまり、誤用や曖昧な理解が広がっていないでしょうか。
今回は、「コンセンサス」という言葉の意味や正しい使い方、具体的な使用シーンなどについて解説します。
1.コンセンサスとは
「コンセンサス(consensus)」は英語で「意見の一致」「合意」を意味する言葉です。
ビジネスの現場では、会議やプロジェクト進行など、意思決定の過程で広く使われています。
実務上は、事前調整や根回しといった意味合いで用いられることもあります。
いずれにしても、何らかの意思決定や問題解決を進める上で、関係者間の合意を形成する重要なプロセスを指しています。
このプロセスを怠ったり不十分であったりすると、最終段階で合意が得られず、プロジェクトが頓挫したり、混乱を招いたりするリスクがあります。
2.コンセンサスの重要性
現代のビジネス環境において、コンセンサスの重要性はますます高まっています。
特に多様なバックグラウンドを持つメンバーが集まる職場では、共通理解や協力を得るための合意形成が欠かせません。
例えば、関係者に事前に資料を渡したり、説明を行ったりする行為は、コンセンサスを得るための典型的な手段です。
「根回し」とも呼ばれるこの行動は、スムーズな合意形成を促進します。
3.コンセンサス方式の会議
「コンセンサス方式」とは、全会一致で意思決定を行う会議手法を指します。
一般的な会議では多数決が採用されることが多く、少数意見が反映されにくいという課題があります。
一方、コンセンサス方式では、賛成・反対の両者の意見を尊重し、互いに歩み寄って合意を目指します。
これにより、組織内の対立を回避し、共通の目的に基づいた意思決定が可能になります。
ただし、意見の異なる複数人が歩み寄って合意に至るためには、事前準備や会議中の丁寧な調整が不可欠です。
4.ビジネス以外でのコンセンサスの例
①コンセンサスゲーム
企業研修などで活用される「コンセンサスゲーム」は、グループディスカッションを通じて合意形成のプロセスを学ぶものです。
課題に対して個人の意見を持ち寄り、チーム内で議論を重ねながら一つの結論を導き出すという体験を通して、協調性や合意形成の重要性を理解できます。
②市場コンセンサス
金融分野では、アナリストによる予測値(利益、配当、株価など)の平均を「市場コンセンサス」や「コンセンサス予想」と呼びます。
また、仮想通貨の世界では「コンセンサスアルゴリズム」と呼ばれる仕組みが存在します。
これは、中央管理者が不在のブロックチェーンで、ネットワーク参加者が取引の正当性を検証・承認する合意形成プロトコルです。
③医学的コンセンサス
医療分野では、専門家があるテーマについて協議したうえで発表する「総意的見解」を「医学的コンセンサス」と呼びます。
治療方針や診断基準などにおける一定のガイドラインとして機能します。
④国民のコンセンサス
政治の分野でも、「国民のコンセンサスを得る」といった表現が用いられます。
これは、政策や改革を進める際に、国民の理解と同意を得る必要があることを意味しています。
5.まとめ
ビジネスにおいて、コンセンサスの重要性は今後ますます高まっていくと考えられます。
関係者全員の納得を得るためには、日頃からの信頼関係の構築と、丁寧な情報共有が不可欠です。
効果的な合意形成には、各メンバーの意見を尊重し、オープンな議論を重ねていくことが必要です。
「合意」を築くプロセスを大切にすることで、組織全体のパフォーマンスや一体感の向上にもつながるでしょう。