総合職と一般職の違いとは?
転職雑記 2024/4/2
転職活動をする時に「総合職」や「一般職」といったような表記を見かけることがありますが、総合職と一般職はどちらも採用区分を表す言葉です。
同じ企業の社員であっても総合職と一般職では異なる点が多々あるのですが、この2つの違いを正しく理解することで「自分に合った仕事」「自分のやりたい仕事」を選ぶことができ、充実した転職活動を行うことができるはずです。
1.総合職とは?
総合職とは、将来はその企業の幹部候補として期待される職種のことを言います。
幹部になれば、企業の業績に直結するような重要な判断を下さなければならないことも増えてきます。そのため、総合職は企業の全体像を理解するために、企業内の様々な部署や仕事を経験することが一般的ですが、異動や転勤も多い場合があります。
また。仕事を円滑に進めるためには人脈も大切ですので、子会社や関連会社に出向することも珍しくありません。
2.一般職とは?
一般職とは、総合職のサポート業務を中心に行う職種を指します。
書類作成や顧客対応などの「定型業務」がメインで、仕事の範囲が限定されていることが特徴です。
3.総合職と一般職がある理由
「総合職」と「一般職」が登場したのは、1986年の「雇用機会均等法」からです。
法律の施行により、男女別立ての雇用管理をすることができなくなったため、「コース別雇用管理制度」を導入する企業が現れました。
これが「総合職」と「一般職」が設定される要因になったようです。なお、「一般職は女性のみ」「総合職は男性のみ」というような募集は禁止されています。
4.総合職と一般職の違い
他にも、総合職と一般職では違う点がいくつか挙げられます。
①給与
業務内容の違いからわかるように、総合職は一般職に比べると責任が重い仕事を任されるため、基本給は高く設定される場合が多いです。また、成績によっては給与がアップするチャンスも多く、その分、収入が高くなる傾向にあるといえます。
一般職は勤務地や業務内容が限定的で基本給は低く設定されがちです。
大幅な給与アップにはあまり期待できないかもしれません。
②キャリア
総合職は幹部候補生のため、一般職に比べて昇格スピードが早く、出世しやすくなっています。
責任ある仕事を任されるチャンスも多く、上を目指したい人に向いています。
一方で一般職の場合は定型業務や補助的な仕事が多く、総合職に比べて昇格や昇給は遅い傾向にあります。
その分、残業や休日出勤などが比較的少なく、自分のライフスタイルに合わせた働き方がしやすくなっています。
③教育制度
総合職と一般職では研修制度が異なることもあります。
総合職は、最終的に管理職に就くことが期待されているため、研修は多く設定されていることがほとんどです。
ビジネススキル研修やリーダー研修など教育制度が充実しています。
一般職は、担当する業務に絞ってスキルアップや知識を高めることが期待されているため、研修などの機会も限定的になりがちといえそうです。
④男女比
厚生労働省が2015年に公表している「コース別雇用管理制度の実施・指導状況」によると、総合職採用者に占める女性の割合は22.2%、一般職採用者に占める女性割合は82.1%でした。
また、競争率も総合職では男性が30倍(採用割合3.3%)に対し、女性は44倍(採用割合2.3%)、一般職でも女性の23倍(採用割合4.4%)に対し、男性は11倍(採用割合8.8%)と、女性の方が厳しくなっています。
なお、採用後の割合では、厚生労働省が公表した「平成30年度雇用均等基本調査」(2018年)によると、総合職に占める女性の割合は18.8%、一般職採用者に占める女性割合は34.4%となっており、今後は総合職、一般職ともに男女比の差が少なくなることが予想されます。
5.一般職から総合職への転職の場合
一般職から総合職に転職する場合、採用されるポイントは「即戦力としての経験・スキルがあるか」という点です。
即戦力としての経験・スキルについて、できるだけ具体的に記載してアピールする必要がります。
また、未経験職種へのキャリアチェンジに挑戦したい場合も、応募する職種に活かせそうな経験・スキルがあれば応募書類などでしっかりアピールすると良いでしょう。
6.総合職から総合職への転職の場合
中途採用の場合、「総合職」と記載されている求人の多くは職種や仕事内容が記載されています。
仕事内容はしっかりとチェックし、応募書類や面接でアピールできるスキルや経験があるかを考え、しっかり準備を進めることがポイントです。
なお、一般的な求人では「総合職」という記載は少ないので、総合職にこだわらず、「興味を持った求人に積極的に応募して選考を進めていく」ほうが近道だったりします。